高額医療・介護費合算の還付 該当者通知、越年へ システム構築遅れ受け 全国の自治体
75歳以上の高齢者が自己負担した医療費と介護費を合算し、上限を超えた額を払い戻す国の「高額医療・高額介護合算療養費制度」で、システム構築の遅れから、年内を予定していた該当者への通知が全国の多くの自治体で越年することが、26日分かった。これに伴い申請や支給の手続きが遅れるのは必至で、高齢者から「いつ始まるのか」と不満の声が出ている。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/143119
同制度は、昨年4月に始まった後期高齢者医療制度の運用で負担軽減を図る仕組み。初年度の今回は、今年7月までの医療費と介護費の合計が自己負担上限を超えた分を都道府県の後期高齢者医療広域連合が払い戻す。
該当者の抽出には、各広域連合が保有する医療保険の個人データと、各市町村の介護保険データをつなぎ合わせる必要がある。厚生労働省によると、該当者を抽出し通知するシステムの構築は今春から始まり、11月には国民健康保険中央会(東京)が各広域連合に標準システムを配信するはずだった。しかしデータの結合に手間取り、最終的に配信が完了したのは今月17日だったという。
同省高齢者医療課は「介護保険のシステムが市町村ごとに異なるため、標準システムとの整合性を調整するのに時間がかかった」と説明する。
標準システムは広域連合による個別の手直しも必要なため、該当者への通知はさらに遅れており、今月中旬から全国の一部の県で始まったばかり。九州で申請書入りの通知を発送したのは佐賀(約5千人)、熊本(約1万3千人)の2県だけで、他は来年1、2月ごろになるという。
長崎県の広域連合には自治体広報などで制度を知った高齢者から既に数件の申請がきているが「一斉に通知するまで待ってもらっている」という。同県南島原市の男性(83)は「私の場合、医療費の自己負担だけで上限額に達しており、介護費も払っている。早く始めてほしい」と話している。
■高額医療・高額介護合算療養費制度
医療保険と介護保険それぞれに設定されている毎月の自己負担上限とは別に、年間の自己負担を合計した額についても上限を設定した制度。例えば夫婦とも75歳以上(住民税非課税)で、1人が入院、1人が介護施設に入所している場合、以前は年間の自己負担上限は医療費30万円、介護費30万円の計60万円だった。合算制度で申請すると、自己負担は計31万円に軽減され29万円が還付。軽減割合は、所得の有無などで異なる。
=2009/12/27付 西日本新聞朝刊=
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