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議論百出の死因究明の公開討論会

 「診療関連死の死因究明制度創設に係る公開討論会」が7月28日、東京都文京区の日本医師会館大講堂で開かれた。学会や医師会、病院団体の代表が、「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱」についてそれぞれ意見表明。休憩を挟んでのディスカッションでは、会場から次々とさまざまな意見が出され、議論は迷走状態となった。

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17368.html

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 討論会ではまず、主催の日本医学会の高久史麿会長があいさつに立ち、「日本医学会は、第三者機関をつくり医療事故の死因究明に対応することには賛成という立場。ただ、これまでの過程で加盟各学会にアンケートを実施したところ、基本的には賛成だが、部分的には反対や注文も数多く寄せられた。そこで、各学会はじめいろいろな関係団体の意見を聴く必要があるのではということで、この会を開いた」と述べた。

 続いて、4つの学会と2団体の代表が、「大綱」について意見を述べた。

 日本内科学会の永井良三理事長は、第三者機関は創設すべきとの考えを示しながらも、「大綱に添付された第三次試案の表紙に、法務省、警察と合意したものとあるが、合意はどこまでをカバーするのか、その根拠は何なのか、実効性はどのくらいあるのか。これから十分に議論する必要がある。遺族が刑事告訴した場合はどうなるのか。明確にするべきだ」などと問題点を指摘した。

 日本外科学会の高本眞一理事は、厚生労働省の「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」の経緯と結果を示した上で、「われわれ医療関係者が中心となった調査チームによる中立機関が原因を究明するという形がつくれれば、進めるべき」と、条件付きながらも大綱への基本的な「賛意」を示した。また、非専門家である警察の立場も、謙抑的なものになるとの考えを表明した。

 一方、日本救急医学会の堤晴彦理事はまず、「医療の安全性の向上を目指し、公平性、透明性が確保された中立的な機関をつくることに異論はない。なぜ反対するかといえば、議論が尽くされていない、という一点に尽きる」と述べた。

 さらに、「本質的な問題に真正面から取り組むべきだ」とした上で、医療事故における「犯罪」の判断基準がないと指摘し、警察や検察とそうした部分で議論する必要性を強調。法曹界と医療界が同じテーブルに着いて議論することが先だと主張した。

 「死因究明制度をつくるということに対しては大きな期待を持っているが、早急さに対しては一抹の不安を持っている」と切り出したのは、日本麻酔科学会の並木昭義理事長。議論すべき点として、▽医師法21条▽医療関係者の責任追及▽届け出▽重大な過失▽医療安全調査委員会の設置場所―の5項目を挙げた。

 さらに、それぞれに対し細かく問題点を指摘した上で、「WHO(世界保健機関)の医療安全に関するガイドラインから見れば問題点が残り、不明朗な点がある。こうした点を残したまま法案が成立し、それが委縮医療につながれば、医療崩壊を招く。慎重な検討・議論を望む」とした。

 日本医師会の木下勝之常任理事はまず、「今の状態が続けば、医師法21条による日常診療業務に対しても刑事訴追が行われる可能性が常にある」との現状認識を示した。また、これまでの議論の過程で法務省や警察庁と意見調整を進めてきたとし、その具体的内容を示した。

 その上で、「医療安全調査委員会が設置されるなら、捜査機関は委員会自らの判断を尊重する、ということになる。やらなければ今の状況が続く。皆様方の意見を統一しつつ、一歩も二歩も進めるよう協力していただきたい」と述べた。

 全日本病院協会の西沢寛俊会長は、「われわれは病院という組織の団体。医師個人の団体とは立場が違う」と前置きした上で、「医療事故の調査・原因追究・再発防止と、責任追及というものを明確に分ける必要がある」と、従来の意見をあらためて主張した。

 この後、高久会長、日本医学会臨床部会運営委員会の門田守人委員長、山口徹作業部会長の司会で、会場も含めた総合討論が行われた。

 会場からは、賛否両論、多種多様な意見が次々に出され、議論は迷走状態に。

最後は高久会長が「日本の医療は問題を多く抱えており、医療関連死の問題はごく一部なのは確か。一方で、産婦人科の先生方が薄氷を踏む思いで日々診療をしているのも事実。何とかしなければ、という意味で日本医学会は中立的な第三者機関の設立を要望したわけだが、その具体的な内容についてはまだまだいろいろご意見があると思う」と締めくくり、閉会した。






更新:2008/07/28 22:28   キャリアブレイン

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