ミャンマー:サイクロン緊急援助 MSF、援助物資の到着とともに緊急援助を強化 日本からも3名が今日出発
国境なき医師団(MSF)はサイクロン「ナギルス」の甚大な被害を受けた被災地での緊急援助活動を強化しており、救援物資を積んだMSFの貨物機がミャンマーへ到着している。MSFの各国のスタッフは現地入りするためのビザ発行を待っており、また合計で110トンの救援物資を積んだ3機の貨物機がこの数日のうちにヨーロッパを発った。
http://www.msf.or.jp/2008/05/12/6057/msf3_2.php
3機の貨物機の到着
最初の貨物機は10日(土)に水・衛生関連物資や、救援物資、医薬品、栄養治療食の計40トンを積んでヨーロッパを発った。着陸許可は予め得られており、現地のMSFチームが物資を受け取り、もっとも被害の深刻な地域に迅速に届ける予定である。さらに、救援物資を積んだ2機の貨物機が10日(土)と11日(日)にそれぞれヨーロッパを発った。
MSFは災害前からミャンマー国内で活動していたため、サイクロンによる被害の発生直後から、複数のチームが食糧や基本的な救援物資を提供し、診療活動や清潔な水を供給する活動を行ってきた。
イラワディ・デルタ地域
MSFは、2艘のボートを使ってイラワディ・デルタ地域南西端の最も被害の深刻な地域に入った。同地域のハイギ、ピンサル、トングワでは家屋の95%が破壊された。現在、デルタ地帯にはMSFの100人以上の医療スタッフおよび水・衛生の専門家が活動しており、さらに毎日10人から20人のスタッフが新たに現地入りしている。イラワディ川流域のパセインには食糧や医療援助物資、ビニールシートなどの救援物資が到着し、被災者へ配布された。また、パセイン病院に対して医療物資の提供も行っている。現地のチームはこれまでに、パセイン、ハイギ、ピンサル、トングワで1700件の診察を行った。うち半数はサイクロンに関連した負傷で、それ以外は下痢や発熱、呼吸器感染症の症状が見られた。
イラワディ・デルタ地域の南西の町ラブッタでは80%の建物が崩壊し、MSFチームは直ちに食糧や医療物資を現地へ輸送した。甚大な被害を受けたヤンゴンから南西約90キロのボガレイでは、直ちに食糧配給や医療ケアの提供を開始した。ヤンゴン南部のトゥワンテでは、食糧配給にくわえて、診療と栄養失調の検査も実施している。またMSFチームは、カウムやクンジャンゴンを含む各被災地での調査活動に平行して、食糧配給や住民の診療も行っている。その後、調査を受けて追加物資や食糧を積んだトラックが各被災地をまわるという体勢を取っている。食糧は、MSFがミャンマー国内に予め持っていた在庫およびWFP(世界食糧計画)から支給されたものを利用している。しかし、さらに大量の食糧と安全な飲料水が緊急に必要なため、貨物機で運んだ物資の現地への到着が待たれている。
MSFのミャンマー緊急チームの活動責任者ユグ・ロベールは9日(金)、次のように話した。「まもなく追加チームと主要な物資が届き、活動の拡大が可能になります。政府当局とは非常に建設的な議論を交わすことができました。貨物機の到着への許可が下りたことは前向きな兆候だととらえています。私たちはサイクロンによる甚大な破壊、人びとの苦しみの深刻さを目撃しています。しかし追加の物資と経験ある緊急対応スタッフ、とりわけ水・衛生関連の専門家が到着しないことには、緊急の援助ニーズに応えることは不可能です。」
MSFは活動を拡大するにつれ、被害の規模と深刻さ、死傷者の数、家屋が損壊し飢えや病気にさらされた人びとの状況を把握しつつある。はるかに大規模な対応が緊急に必要とされていることは明らかである。
ミャンマー国内では、10日時点で43人のMSF外国人派遣スタッフと1200人以上の現地スタッフが活動している。
●日本からの派遣者一覧(2008年5月12日(月)成田空港より出国)
井田覚 MSF日本会長、東京都出身
ジャン=リュック・アングラード 東京デスク・プログラムマネージャー、フランス出身
道津 美岐子 看護師、長崎県出身
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