チェルノブイリ支援の募金、18年で終了に
22年前の旧ソ連チェルノブイリ原発事故を受けて、1990年から季刊誌「通販生活」で読者に被災地支援の募金を呼び掛けてきたカタログハウス社(東京)が、5月15日発行の夏号でその活動を終える。「真剣な団体の支援活動に分配し、その内容を誌面で公表しよう」と始まった募金は、資金確保に腐心する団体にとって支えだった。関係者からは長年の取り組みへの感謝とともに、「被害はまだ終わっていない」と惜しむ声も上がっている。
http://www.shinmai.co.jp/news/20080430/KT080424FTI090006000022.htm
誌上での募金活動は、入社2年目だった神尾京子さんが、ボランティアに関心が高い同社社長から声をかけられて手掛けた。これまでに松本市の「日本チェルノブイリ連帯基金」(JCF、鎌田実理事長)や「チェルノブイリ医療基金」(宮田貴美子理事長)など全国の市民団体に提供する形で、被災地のベラルーシやウクライナの医療支援に充てられた。
募金は18年間で19万1404人から寄せられ、総額は4億7400万円超(今年3月10日現在)。JCFの神谷さだ子・事務局長は「長年の支援に心から感謝する」と話す。
原発事故による放射能で汚染されたベラルーシなどでは、今も多くの住民が健康被害に苦しむ。一方、ソ連崩壊の直後に比べ、医療現場の状況は改善された。神尾さんは「『薬も機器もとにかく何もない』という状況はなくなり、当初の支援目的は果たせたと思う」と、募金活動を終える理由を説明する。
こうした状況に対し、「障害者の特典が削られるなど、時がたつほどに事故の被害者は苦しい状態に置かれている」と、「チェルノブイリ子ども基金」(東京)の佐々木真理さん(44)は、支援と資金援助の必要性を訴える。被災地に暮らす子どもたちの保養活動などに取り組む子ども基金は、医療機器を贈る際に、カタログハウス社の募金を活用してきた。
佐々木さんは毎年現地を訪れ、小児甲状腺がんの子どもなどの家族から病状や暮らし向きを聞き取っている。「ベラルーシでは昨年末の法改正で、チェルノブイリによる障害者の交通費減免がなくなった。バスや電車を乗り継ぎ、1日がかりで病院に行く負担を想像してほしい」と強調。「障害者年金もわずかで、体に無理をして働く人もいる」と言う。
チェルノブイリ支援をめぐっては、15年前から古着を販売し収益を支援団体に提供してきた三重県のリサイクルショップが3月末に閉店するなどし、徐々に関心が薄らいでいる。子ども基金の向井雪子事務局長(60)は「近年、戦争や平和をめぐる問題はあまりに多く、チェルノブイリへの反応が減ってきた」と指摘。「募金活動が終わるのは残念だが、1度かかわった者としてできるだけの支援を続けたい」と話している。
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