これでは医師不足解消できぬ
これが深刻な医師不足解消につながるとでも考えているのだろうか。
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=4357&blogid=5&catid=15
健康保険から医療機関に支払われる来年4月からの診療報酬改定で、政府は医師の技術料に当たる「本体部分」を8年ぶりに引き上げた。
だが、それはわずかだ。医師不足による地域医療の崩壊が進む中で、極めて不十分な手当てと言うしかない。
引き上げは、医師不足解消を掲げた福田政権の登場で風向きが変わったことや、与党も選挙を意識して引き上げを求めたことが大きかった。
だが、こんな小手先の対応で本県など地方の医療崩壊の危機が緩和するとはとても思えない。
■産科など閉鎖相次ぐ■
診療報酬は本体部分と薬や医療材料などの「薬科部分」で構成され、2年に一回改定される。
2008年度改定では、本体部分を0・38%引き上げる一方、薬科部分は1・2%引き下げ、全体では差し引き0・82%の引き下げとなり、四回連続のマイナス改定になった。
診療報酬は財政再建に取り組んだ小泉政権の5年間マイナス改定が続き、特に前回は3・16%と過去最大の引き下げだった。
このため各地で医師不足から産科や小児科の診療を閉鎖する病院が相次ぐなど、医療現場の荒廃が進んだ。本県などの中山間地、過疎地における地域医療は崩壊の瀬戸際にきている。
にもかかわらず、今回の改定論議も「引き下げありき」で始まった。
政府は今年夏の来年度予算概算要求基準(シーリング)で、社会保障費約2200億円の抑制を決めたため、大半は診療報酬の引き下げで捻出(ねんしゅつ)するしかないとみられていたからだ。
ただ、そうした中で本体部分だけでも引き上げたことは評価できる。今後の詰めできめ細かな対応を求めたい。
■勤務医対策が最優先■
まずは病院の勤務医に手厚くすることが最優先だろう。
医師不足は勤務医不足からだ。勤務医を増やして、当直明けでもそのまま日勤を続けるような過酷な勤務は解消し、きちんと交代制にしたい。
疲れ果て、低下している勤務医の意欲を取り戻すことが先決である。患者には窓口負担も増えることになるが、医師がいないことには話にならない。それが安心な医療にもつながる。
そのためには、開業医への配分を一定程度減額することも必要だろう。
厚労省の調査では、開業医の年収は勤務医の1・8倍ある。経営資金もあるため一概に比較はできないが、疲弊した勤務医が開業に走る現状を放置するわけにはいかない。
同じ開業医でも、24時間対応したり、夜間も診療している場合は報酬を増やしていい。
そうすれば病院の勤務医の負担軽減にもつながるからだ。明細書付き領収書の義務付けなど、患者の視点や後発医薬品の促進も欠かせない。
今回の本体部分引き上げには、中小企業の従業員が加入する政府管掌健康保険への国庫負担を、大企業の健保組合が肩代わりしてシーリングを埋めてくれたことが実態にある。
いわばサラリーマンの犠牲で実現できた面は否定できない。
高齢化が進展する中で医療費が増えるのは当然で、いつまでも資金を惜しむべきではない。社会保障の枠内ではなく、予算全体の中で考える時だ。
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