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TOP >  医療費抑制で医療崩壊

「人が足りない」スタッフに危機感

 「常に辞めたいと考えている」。―10月18日に東京都千代田区の日比谷野外音楽堂周辺で開かれた「医師・看護師ふやせ!ストップ医療崩壊!10・18中央集会」。激務に追われる2年目の看護師は自らの悩みをこうもらした。現在、深刻な社会問題となっている医師・看護師の人員不足は、現場に過酷な労働を強いるとともに、患者が必要な時に適切な医療を提供できない“医療崩壊”を進行させている。現場の声を集めた。(金子俊介)

http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=12535

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国は現場の声を真摯に受け止めよ

 「夜勤を軽減してほしい」。山梨県甲府市の病院に看護師として勤務する飯野ヒデ子さん(59歳)は、月8~10回の夜勤に従事している。「この年齢での夜勤はさすがにこたえる」と話すが、「人が少ないのでやらざるを得ない」とも。

飯野さんが集会で身につけた羽織には、赤い色で“怒”の文字があしらわれている。「この“怒”は病院への怒りでもあり、そして国の低医療費政策への怒り。とにかくこのままでは、医療従事者だけでなく、国民すべてにしわ寄せが来る。早く政策を転換しないといけない」

 また、石川県金沢市の城北病院内科医・柳沢深志さん(41歳)は、現行の制度では32時間の連続勤務といったようなことはないが、その分、「昼間の労働密度が高くなっている」という。通常の診療は何とかこなせてはいるものの、「学会などに出席すると、途端に日常の診療が回らなくなり、学術活動も行いにくい」と話す。

 その上、柳沢さんは、「医師の勤務状況だけでなく、現在の医療現場では、患者側にも大きな問題が起こっている」と打ち明ける。「患者の中には、お金がないために受診抑制せざるをえず、手遅れになってから病院に来るケースもかなり多い」と現状に危機感を強めている。

 さらに、島根県松江市から参加した看護師になって4年目になる女性は、「一人ひとりが無理をして働いており、とてもリスキーな状況」と語る。今年4年目になって初めて有給休暇を取得できたというほどの過酷さ。「診療報酬が改善されないと、看護配置を含めて職場環境は良くならないのではないか」と訴えた。

 このほか、長野県から来た看護師になって2年目の女性は、勤務について「6日連続出勤が当たり前で、先月は12回もの夜勤をこなした」と述べる。辛い上に体を壊したこともあり、「常に辞めたいと考えている」と打ち明けた。女性は言う。「本当は看護師を続けたい。だから、人員を増やしてほしい」。



国は現場の声を真摯に受け止めよ

http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=12536

医師・看護師の不足が深刻な社会問題となっている中で、10月18日に東京都千代田区の日比谷野外音楽堂周辺で開催された「医師・看護師ふやせ!ストップ医療崩壊!10・18中央集会」―。会場では、「看護師を続けたいから、人手を増やして」など切実の声が相次いだ。高まる医療従事者や患者からの声を受けて、医療従事者確保対策の予算を拡大させるなど国も対応に着手しているが、現場の実感が伴うにはなお程遠いようだ。(金子俊介)

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「人が足りない」スタッフに危機感

 小泉・安倍政権が進め、福田政権も受け継ぐ「構造改革」路線は、徹底した社会保障費の削減を目指すなど、低医療費政策を促進。度重なる診療報酬のマイナス改定により、経営難に追い込まれた病院は、経営の効率化を徹底し、医療従事者たちに過酷な勤務を迫らざるをえなくなった。医師たちは病院から立ち去り開業医になるケースが後を絶たない。また、看護師たちも燃え尽き、その離職率は1年で12.3%にも上る。

 医療従事者たちが去り、診療科また病院自体を閉鎖せざるをえなくなる状況も相次ぎ、患者側にとっても適切な医療が受けられなくなっている。「“医療崩壊”はすぐそこまで来ている」とする指摘もある。

 そのような中、同集会には、全国の医師や看護師、また患者ら総勢5100人が集結。月12回に及ぶ夜勤に疲弊する看護師、診療に追われ学術活動の時間が確保できない医師など、現場からの切実な訴えが厚生労働省の庁舎へ向けて発せられた。「医師・看護師をふやせ!」「患者の負担を減らせ!」「医療費総枠を拡大しろ!」…。

 世論の高まりや参議院での与野党逆転現象を受け、政府も、後期高齢者医療制度の凍結、また不足が顕著な産科・小児科に対する診療報酬のプラス改定を掲げるなど、医療費予算の確保をアピールしているが、その対策は小手先のものといわざるをえない。制度の凍結は解凍を意味し、また医師数に関してはそもそもの絶対数がOECD(経済協力開発機構)諸国の平均と比較して約14万人も不足しているという見方もある。

 「財源がない」。政府はしきりにそう訴える。しかし、本当にそうなのだろうか。国民の命を守り、現場が生きがいを持って働ける「医療提供体制の構築」は、国が果たすべき根源的な使命だ。世界第2位の経済大国でありながら、医療難民を生むような現状はおかしいといわざるをえない。医療従事者の献身的な姿勢だけに頼るのは止めにして、医療を提供する側・受ける側の双方が望む医療の実現に向けて、国は医療費の総枠を検討し直す時期に来ているのではないだろうか。

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